一般的な白内障手術に使用される眼内レンズは、『単焦点レンズ』で、ピントの合う位置が1ヶ所しかありません。遠方にピントの合うレンズを眼内に挿入した場合は近くを見た時ボヤけてしまいます。一方、近くにピントの合うレンズを眼内に挿入した場合は遠方がボヤけてしまいます。(写真1・2)
従って、ピントの合う位置から外れたものを見る場合はメガネによる矯正が必要です。
新しい眼内レンズである『多焦点(遠近両用)眼内レンズ』は、文字通り遠方にも近方にもピントが合うレンズですので、手術後の日常生活の殆どにおいて眼鏡による矯正を必要としません。裸眼のまま車の運転やスポーツ、読書等が可能となりメガネをかけ外す煩わしさが解消されます。(写真3)
写真1
遠方にピントが合うレンズを入れた場合。
時計や窓の外の景色は見えるが、手前の携帯やテーブルの上のもはぼやける
写真2
近方にピントが合うレンズを入れた場合。
手元の携帯は見えるが、遠くの時計や窓の外の景色はぼやける。
写真3
多焦点眼内レンズを入れた場合。
時計や窓の外の景色も、手前の携帯やテーブルも見える。
多焦点眼内レンズを用いた白内障手術は『選定療養』となります。
各種レンズの裸眼での明視域(はっきり見える範囲)の違い
新しい多焦点眼内レンズを含む白内障手術の説明(動画)
新しい多焦点眼内レンズ:3焦点眼内レンズについて(動画)
多焦点眼内レンズを使用した患者さんより
写真は直径7㎝ほどの、Soap Carving と呼ばれる石鹸に施される彫刻です。その繊細さは本物に引けを取らないほど美しいものです。これは患者さんが手術後見えるようになって、その嬉しさを作品に仕上げ僕にプレゼントしてくれたバラの彫刻です。心地よい上品な石鹸の香りが診察室に漂います。見える喜びをこれに込めて掘ったものを僕がいただけるなんて、眼科医冥利に尽きます。作品も素敵ですが掘った方はもっと素敵な方なのは言うまでもありません。
秋田市M.Tさん作
こちらは、素敵なステンドグラスの手作りランプです。手術後またステンドグラス作りが出来るようになったと、持ってきて下さいました。優しい光と影が,無機的な診察室に暖かな空間を生みます。
大館市 Y.K. さん作
先日頂いたアートフラワー。近くも見えるようになって細かい作業も出来るようになり、趣味のアートフラワーを再開できました!とお喜びの声と共に、作品を持ってきて下さいました。落ち着いた配色が上品ですね。
北秋田市 Y.S.さん作