従来の白内障手術で使用される眼内レンズ(人工レンズ)は、『単焦点レンズ』でした。
『単焦点レンズ』は文字通りピントが合う点が一つしかありません。
レンズ度数を遠くに合わせた場合、遠方にはピントが合いますが、近くはぼけてしまいます。
レンズ度数を近くに合わせた場合、近方にはピントが合いますが、遠くを見たときぼけてしまいます。
このため、ぼけて見える方は眼鏡での矯正が必要になります(写真1,2)
しかし、昨年厚生労働省で認可された新しい眼内レンズ『多焦点(遠近両用)眼内レンズ』は、この問題点をほぼ解決しました。
このレンズには遠方と近方両方に焦点を結ぶ働きがあり、これまでの眼内レンズのように、手術後に眼鏡による矯正をほとんどの場合必要としませんので、若いときと同じような見え方に近づけることが可能となりました。(写真3)
写真1 遠方は見えるが近くがぼける
写真2 近方は見えるが遠くがぼける
写真3 遠方も近方も両方見える
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